真世紀

日本やくざ抗争史 絶縁 第二章の真世紀のレビュー・感想・評価

3.8
今や郷野組の枝におさまるどころか、の暴れっぷりで名を馳せ、200人まで規模を拡大する相良(小沢和義)。麻薬ルートをめぐる諍いから郷野(史朗)とも袂をわかつに至る。

丹波組執行部を仕切る若頭・牛窪(小沢仁志)は、金森(川原英之)と郷野の対立を機に、郷野の序列を下げ、遂に山台組長(白竜)に郷野の処分を迫る。このくだりは「銀河英雄伝説」のラインハルトとオーベルシュタインをついつい思い出したなぁ。

本作、モデルはいうまでもなく、山口組。

白竜 田岡一雄組長
小沢仁志 山本健一若頭
史朗 ボンノと呼ばれた菅谷政雄若頭補佐

は明白。

川原英之さんの役どころは各地で抗争の前線にというあたりからおそらくは柳川次郎・柳川組組長、そして、小沢和義さんの演じたのは作中では、紀伊半島のやくざということになっていたけど、「北陸代理戦争」のモデルとなり、三国事件で生命を落とした川内弘組長ですな。

本作では史朗表記の下元史朗さん、ピンク映画などで活躍のベテラン、自分は顔とお名前覚えたのは「発狂する唇」。近年では「日本統一」シリーズの氷室の父親の組長役が記憶に残ってます。今年、主演作「なん・なんだ」の舞台あいさつでお姿も拝しており、なんだか下元さんづいております。

絶縁された後も4年に渡り、意地を張り続け、遂に白竜の組長に「親不孝しました」と対面するまでを描いた本作。ナレーションにも有るように、その後、本作の中心人物は相次いで世を去り、山口組史上に残る分裂劇、山一抗争へと続く。

なかなか、見応え有る作品でした。
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