あもすけ

マローボーン家の掟のあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

トムの卑劣さに憤っていたはずなのに、トムはトムで現状から抜け出そうと必死こいてて憎みきれないというか、むしろいろいろ下手すぎるのがわかるし、あんまりな仕打ちも受けるし、全世界が敵という瞬間的な怒りから狭まり尖る視界、それでいながら何も気にせず悪を為すほど無神経とも感じられず、家に赴くときの肩に力入った感じの姿、明らかに無理に気張って堂々と突っ切っていく様子が胸にきて、だから最後の最後でも気遣ってくれる人がいてよかった。互いに環境の違うなかで孤独であって、真逆の人間性に思えながら鏡写しのように重なるところがあって、単なる憎まれ役でなかったトムがいたから面白かったところがある。こういう雰囲気の舞台や人物像の作品はちょっと苦手なところがあって、だけど全貌が見えてからの迫真の頑なさにぐっと掴まれて、優しさにじんとした。そんなに全部を受け入れてしまえるのってないし、どんな先を見てるんだろかと想像しながら、いや先でなく今なんだろうなと、少しずつわかる感じしてくる。
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