ゆう

ゴッズ・オウン・カントリーのゆうのレビュー・感想・評価

5.0
「君の名前で僕を呼んで」で心を抉られた人に見てほしい。劇的なストーリーではない。でも今の自分に必要な映画だった。

ゲオルゲから人の愛し方を学んでいくジョニーが素晴らしかった。それを言葉ではなくて、手で表現したのも良い。多くを語らなくても良いと思った。

ジョニーは良かったけどゲオルゲは最高どころじゃなくて、「ぼくの考えた最強のいい男」みたいな圧倒的な魅力があった。嘘みたいな色男だから観た人全員が恋に落ちたんじゃないかと。

ゲイ映画で単純に「娯楽」として受け止める事が出来たのは今作が初めてかもしれない。「君の名前で僕を呼んで」には受け止めきれない重さがあった。勿論良い映画だったんだけど。「チョコレート・ドーナツ」や「ブローバックマウンテン」は未だに見ることすら憚られる。ゲイ映画は差別や偏見を見せつけてくるけど、これにはそういうゲイにまつわるしんどさ?がなくて(別の差別はあった)、「無い事」が自分には凄く意味深かった。ただ二人の男が愛を見つける事が自分にとっての救いになったんだと思う。暖かい映画だった。

トイレとかお風呂とか雨ってやっぱり浄化的な意味合いで使ってたのかな。トレーラーハウスの最後がジョニーだけでなく、父親と祖母との新しい家族関係を示唆していて本当に暖かくて爽やかな映画だった。

EDの曲も凄く良かった。
ゆう

ゆう