ブタブタ

こはくのブタブタのレビュー・感想・評価

こはく(2019年製作の映画)
4.1
アキラ100%は元々役者志望だったと何かの番組で見ました。
本名での役者の方も之からやっていくみたいですけど、本作でのアキラ100%は井浦新と並んでもやはり芸人としてのキャリアもあって存在感があり全く見劣りせず、かつ出しゃばり過ぎない絶妙の塩梅で凄くよかったと思います。
でも最近芸人をやたらと映画・ドラマに使うの嫌い。
日曜の夜のドラマとか。
特に近年見てて嫌だったのはTKOの人、妙に気合い入ってて自分は個性派俳優としてやってくつもりだったんだろうか。
パワハラによって消えて映画等ではもう二度と見ないと思うのでよかったけど。
それから最近は粗品とかいう顔が曲がったのがやたらドラマ出てるみたいで非常に不快。
コントに毛が生えた程度の芝居しか出来ない癖にやたらとキャラクターみたいな物を全面に出した芝居が見てて非常に不愉快。
何勘違いしてんだ。
で、本作『こはく』ですが別れた父親に逢いに行く中年の年齢になった兄弟のごく短い旅を描く。
ストーリーはほぼそれだけ。
それぞれに自分に生活があり、事情を抱えている。
決定的な何かがあったわけでなくスレ違いやボタンの掛け違いで家族は壊れる。
兄弟の父親も不倫して家族を捨てる事態に至ってしまったのは酷い奴だと断罪する事は出来ても、それをしても今更仕方ないという、諦めに似た感情や1度壊れてしまった関係性や感情はどんな事をしてももう二度と元には戻らないし、それよりも今ある家族や生活を大切にするべき。
不倫したり離婚したり子供と別れたり、そのどうしようもない父親が残した借金とガラス細工店を引き継ぎ、苦しい乍も何とか切り盛りしつつ妻との間に子供も生まれる弟・亮太(ARATA)は小さい乍も経営者として従業員をを抱えて日々働き、人としても社会的に見ても立派な人に見えるけど、俯瞰して見るとクズ親父の性質をより濃く引き継いでるのはこの亮太の方だと思う。
兄・章一(アキラ)は定職に付かず結婚もせずいつまでもブラブラしてて、オマケに虚言癖がある社会不適合者。
しかしこのダメ兄貴が「父に会いに行こう」と言い出した事から兄弟の幼い頃に止まっていた父親との時間が再び動き出す。
ダメ人間である事は間違いないけど何処か憎めず不思議な魅力を持っていて何処へでもズカズカと入って行き其れがちっとも嫌味にならないのはやはりアキラ100%の持つ魅力というか、何処か現実味のない浮遊感のある芝居によるものだと思う。
父親と再会し三人で抱き合って号泣しても何かが変わるわけでもないし、父親との再会は兄弟にとって「確認」というか、父親との関係を終わらせる為、自分達が前に進む為にそれぞれの過去に「ケリ」を付ける為の儀式めいたものだったのかもしれない。
だからあの後おそらく兄弟は只父親に別れを告げてもう二度と会う事はないと思う。
エンクミさんはいつまでも若いしキレイだし可愛い。
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