阪本嘉一好子

Leonard Bernstein: Reflections(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

5.0
レナード・バーンスタインは25歳でニューヨーク・フィルのアシスタント・コンダクターだった。この仕事は常任指揮者やゲスト指揮者が都合で来られない時、変わって指揮をする仕事だ。2ヶ月何もすることがなくてもいなければならない仕事だった。スコアーは全部覚えていた。1943年11月14日、ブルノーワターが病気で来られなかった。その代理をカーネギー・ホールでレナードバーンスタインがやった。https://www.youtube.com/watch?v=_r2brl1Nfkg&t=214sなんの準備もできなかった。ーートレーラーでそう言ってる。

トレーラーの彼の言葉に興味を持ってビデオを借りてきた。
個人的にはよく知っていて、何度も聞いたことがあるが、彼のインタビュー的ドキュメンタリーは観たことがなかったので紐解いた。

「ブルノーワターの代理であったコンサートのことは全く記憶がなく、両親が楽屋に来て、特に、父親が『感動した』と。音楽家になることに反対していた父親が。ロシアのユダヤ人のゲトーで生まれ、父は音楽家を社会的な地位のない人と思っていた。結婚式や葬式やバッミツアで演奏するだけで、スープをもらって、こじきよりマシと考えていた」とバーンスタイン。


音楽と人間との融和がバーンスタインの信条なんだね。自分の音楽性を人間と共有することが好きなんだね。音楽家、特にクラシックの音楽家にこのような人は少ない。悪く言えば、堅物で、楽譜そのままを弾くだけのように技巧を楽しんでいるように感じる。アスペルガー症候群の人のように、楽器一本で、自分の感情は自分だけで楽しんで人である観客と共有する楽しみを忘れているようだ。バーンスタインは全く逆。才能が多岐に渡ると紹介されていたが、誠にそうだ。それだけじゃなく、私が楽器ができたら、彼の表現が心から理解できるだろう。
最初に彼が『リハーサルはこうじゃなきゃ』といってブラボーというが、私はまだリハーサルだよと思った。1954年テレビが始まり、彼は視覚に訴えたね。『指揮者がなぜ必要?私がいなくてもみんな、演奏しているよ。。』と話し上手でもあるねえ。ウィットに飛んでるんだね。
それに、娯楽の力も知っていたんだね。1958年 ニューヨークフィルでYong People's Concertといって、青少年少女にクラッシックの楽しみ方を教えたんだね。これって、群馬交響楽団の学校訪問に似ているね。私も群馬交響楽団でクラッシックや楽器など教わったよ。それに、大人になって年会会員だったよ。これが、またテレビ中継されたから、彼の人気も上がったんだね。https://www.youtube.com/watch?v=9Nx09pigZRI
彼が『教育分野でやったことが誇りだ』といっていたが、将来の音楽家、音楽愛好家を育てることだからそりゃあ誇りだね。群馬交響楽団の団員も誇りにしていいと思う。

影響を受けた師匠は1)ディミトリス・ミトロプーロス(Dimitris Mitropoulos):2)フリッツ・ライナー(Fritz Reiner,)3)セルゲイ・クーセヴィツキー(Serge Koussevitzky)不幸にも誰も知らないので時間をみて聞いてみたい。

1943年に25歳で指揮者になった。当時は40歳でも若い指揮者だと言われた時代だって。ミトロプーロス(Dimitri Mitropoulos )は米国デビューは40歳半ばだった。アメリカで指揮者はハワード・バーロウ(Howard C. Barlow)だけが有名だったと。

3ストライク・アウトは
1)アメリカ人
2)25歳
3)レナード・バーンスタインというユダヤ人の名前。反ユダヤ主義が多かった。クーセヴィツキーにレナード・S・バーンズにしろと言われたけど名前を変えなかったと。

アメリカではトップの指揮者になって、これで、音楽大使になって、1947年にイスラエルフィルとバーンスタイン・フェスティバルをやったんだね。イスラエルにはよく行ったと。Water Front, West Side, など有名な曲があるけど、JFKに捧げる、カーディシュ交響曲3 を1964年 イスラエル交響楽団との初演。イスラエルの子供のコーラスの指導も、上手だね。褒め言葉を与えて、『全然聞こえないよ。見かけはいいんだけどね』とアドバイスを与え、もう一度という形をとっている。

https://www.youtube.com/watch?v=jX1exz7eORo.  
Leonard Bernstein. Symphony #3. Kaddish

彼は社交的な場にいる時や演奏している時の方が『孤独だ』という言葉を使って説明している。人が好きだという彼のこの表現には『うっと...』思ったが、よく話の続きを聞いていると、例えば、カーディシュ交響曲3を作曲している時やMASShttps://www.youtube.com/watch?v=Z0tM8sFPasI&t=50sを作曲しているときは一人でなく、その曲で想像している幽霊など登場人物と一緒にいるから、孤独ではないといっている。thinking person でいる時の方が、孤独ではなく、performing person でいる時の方が孤独だと。そして、動き回っている時よりも、曲を作っている方がアクティブだと。Creative person でいるときも、頭の中がブランクになって作曲のアイデアがないときは好きじゃないけどピアノに座って、即興でピアノを叩いてみる。one noteから何も生まれない。それが次のnote の音に結びついたときに意味が出てくると。個々のnoteには意味がなく、組み合わせたことで意味をなすと。

https://www.youtube.com/watch?v=xs4wCkVBXgE&t=3s
Jamie Bernstein - "Famous Father Girl: A Memoir of Growing Up Bernstein"