このレビューはネタバレを含みます
主人公の少年の背伸びした語り草と一生懸命な所が愛くるしく、終始応援したくなる映画だった。
主人公の父親の、押し付けず、背中をそっと押すような教育の仕方にも好感をもった。
お姉さんとの別れが、きっとまたこの主人公を成長させたことと思う。
ストーリーとしては、なかなか謎を多く残す作品だった。
話中に出てきた海はなんだったのか、なぜ鍵を握る役目がペンギンなのか、お姉さんはなぜ存在したのか、
そんなモヤモヤもあったが
不思議なことに、それすらも心地よい余韻として心に残るような、爽やかな映画だった。
原作の森見さんの作品は、世は短し歩けよ乙女、でも感じたが、なかなかメッセージを直接的に伝えない作り方をするような印象だ。
何かに対するメッセージ、というよりも、ストーリーとファンタジー、キャラクターの強さと愛くるしさを、大切にされている印象をうける。
まっすぐな主人公にちょっぴり元気をもらえる、見ていて気持ちのよ作品だった。
※追記:はじめと終わりの、上からのカメラアングルで部屋を映すシーンが印象的だった。また、シーンの移り変わりをスピード感をもったパンで繋ぎ、フワッフワッと次のシーンに繋げているのもかっこよいと感じた。