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ファイナル・イヤー: 政権最後の一年のdjangoのレビュー・感想・評価

4.5
オバマ政権最後の1年を外交を中心に撮したドキュメンタリー。

ニュースだけでは全くわからないことが、よくわかる。政権の人間がどういう考えで動いているのか。
なかなか人間臭いので面白い。

興味深いのはトランプ大統領がよく、フェイクニュースとマスコミを非難しているが、オバマ政権の人間もマスコミには結構キレてた。
わざわざ失言しやすいような質問を何度もしたり、言葉尻を捕らえたり、自分の発言を曲解されて報道されるらしい。
だから、トランプがマスコミをフェイクニュースと馬鹿にするのも、まんざら嘘ではないんじゃないか。
と思えてきた。

シリア問題や、ボコハラムの問題が目立った。

驚いたのは、オバマ大統領が、この映画の撮影スタッフを政権のかなり深いところまで招き入れている点だ。
今まで全くわからなかったことが一発だよ。プライベートな部分も少し見える。

また、後半はトランプの影に怯えているように見えた。政権スタッフに焦りや不安や苛立ちが出てきて面白い。

オバマは演説が上手く、大統領の役ではオスカー俳優だって相手にならないような名演技を見せる。
映画の中では、完全無欠の理想的な大統領に見えるんだ。

最も笑えるシーンは、トランプが大統領選挙に勝つ瞬間だよ。みんな去勢された犬みたいに勢いが無くなって、混乱して、アメリカ人なのに英語もろくに喋れない政権スタッフもいた。現実逃避する者も。

個人的にかなり好きなドキュメンタリーだった。いいとこ撮り感はある。
それでも、楽しい。
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