Jonayama

ライトハウスのJonayamaのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.5
1890年代、絶海の孤島に降り立った老人と若き見習いのウィンズローが数ヶ月の間2人きりで灯台守をすることになる。
老人は死んだ前任者の代わりに来たウィンズローを虐げ、こき使い、彼の不満は限界に達していた。
そんな折、灯台の番を独占している老人をこっそり覗きに行ったウィンズローは灯りのそばで恍惚の声を漏らす老人の声とぬめりとした化け物のような肢体を見る…



終始モノクロ映像、4:3よりもさらに正方形に近い異様な画面サイズでの撮影、視聴者を煙に巻くような象徴的な出来事や曖昧な演出のオンパレードで明らかに只事ではない映画なのだがウィレム・デフォーとロバート・パティンソンの演技合戦とも言えるような息の詰まるようなやりとりも大きな見所ともいえる不思議な作品だ。


ラストシーンから伺うにおそらく今までの出来事は…ということなのだろうが敢えて多くのことを曖昧にした演出にさまざまな想像が掻き立てられ薄気味の悪さを残す異形の作品だと感じた。

『バニシング』や『コールドスキン』もそうだが小さな孤島を舞台にしたミステリー性のある作品は小粒でミニマルな世界観だが役者の演技にフォーカスして息苦しさや独特な不気味さがこれでもかと感じられていいね。
Jonayama

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