みゅうちょび

八つのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

八つ(2016年製作の映画)
3.2
広場恐怖症と強迫性障害を持つ女性の苦悩を痛々しいまでに徹底して見せてくる。

八つというのは、主人公が、理由はわからないけれど、囚われている数。あらゆることを8回やらないと気がすまない。
その痛々しさたるや。。。

ベッドの中、目覚まし時計で目覚めながらもじっとアラームを止めることなく宙を見つめるサラ。その腕や手はかさぶたのように黒ずんで荒れている。やっとのことでアラームを止めるボタンをカチカチカチカチカチカチカチカチと8回。

そこから彼女のある日の一日が始まる。

彼女の行動から次第に明かされる彼女にしかわからない心と身体の痛み。観ていて呼吸をするのを忘れるようなそのあまりに痛々しい行動の数々。
整然と壁のあちこちに貼られたおびただしい数の付箋に書かれている内容が字幕に出ないので、英語が分からないと伝わらないこともあるかも。つまりは、自分自身に向け自分を制するための言葉が書かれているのだ。

ラストは、わずかながらも感動を覚えて涙が出た。

辛い様子をほぼワンカットで延々と見せられるので、耐えられなくなる人もいると思うので、あまりお勧めはできないけれど、広場恐怖症や強迫性潔癖症の辛さは十分伝わった。
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