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騙し絵の牙のKのネタバレレビュー・内容・結末

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

オンライン試写会にて鑑賞。

曲者、食わせ者、変人をやらせたら天下一品の大泉洋は相変わらず、この映画の隅々で傾きまわっている。アイディアマンとしてひたすらに難しく面白いことを追求する姿は現代的だと感じた。ある種のビジネスマンとしての視点から人やら雑誌やら会社やらを利用し尽くす姿にはある種の尊敬の念を抱いたが、『Nightcrawler (2014)』のジェイクギレンホールのようなサイコパスみも若干感じて少し引いた。あちらは人の死すら食い物にしていたのでさらにひどいけれど。

松岡茉優はこの食わせ者に翻弄される一般常識人としての役回りが非常にうまく、良い味を出していた。翻弄される一般人が最後に一撃を食らわせるところも含めてよくある構造なのだが、とても爽快感溢れる仕返しとなり、また食らわされた速水も腐ることなく次の一手を模索していく。そこも含めてこの作品は後味が良く清々しいとさえ感じることができた。
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