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ピータールー マンチェスターの悲劇/ピータールーの虐殺のrikuのレビュー・感想・評価

3.0
舞台は1819年。ナポレオン戦争により疲弊したイギリス、そして困窮するマンチェスター。深刻化する貧困問題を訴えるためにセント・ピーターズ・フィールド広場で開かれた集会には約6万人が集まった。民衆運動の高まりを面白くないと感じる治安司法側は、その群衆に騎兵隊を突入させる…

ガーディアン紙が創設される大きなきっかけとなった"ピータールーの虐殺"をクライマックスに、貧困にあえぐマンチェスターの人々と法の番人たち、貴族出身の将軍、そして王太子と入り乱れる群像劇。核となるのは一つの家族に訪れる悲劇だが、同じように貧困にあえぐ者たちが自分たちの権利を主張し、参政権を手にしようと訴えに出るのだが、女子供容赦なく義勇軍や騎兵隊に始末されていく。

虐殺に至るまでの民衆と政府の対立を描く前半。著名な演説家が民衆に神輿を担がれる中盤。虐殺の顛末の3部構成。

史実をありのままに描き出したことがこの映画の価値だと思うが、前半がかなり退屈かも。社会派であり、硬質な作品だと思う。

格差が広がる日本も対岸の火事ではないね。
最後の乾杯する姿も含めて。
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