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ある女優の不在のnanaのレビュー・感想・評価

ある女優の不在(2018年製作の映画)
3.5

終始ドキュメンタリーのような映像。音楽も少ない。

イランの人気女優の元に送られた自殺をほのめかす、首にロープをかけた少女の映像。
彼女を案じ、仕事を投げ出し奔走する女優のロードムービー。


イランの片田舎で、女性が優秀である事、スターを目指す事を男性達が嫌悪する女性蔑視。
過去に成功をおさめた悲劇の女優など、問題提起の作品だった。

サスペンスを期待していたので、淡々と進む前半に退屈し、作品に乗り遅れた。

国が違うとこんなに常識が違う。
少し時が経てば、この国のこの時の時代が…となるのだろう。

有名大学に合格した姉を「殺してやる」と暴れる弟。
自分を何とかしてくれと喚く少女。
ヒステリックな声と描写が観ていて、ちょっと不快感が。
それだけ必死だということなのだろう。
女優を「芸人」と呼び、軽視する老人。
それでいて有名人に群がる田舎の人々。

そんなものなのかもしれない。

女が生きにくい。
言語も分かれている、イランの片田舎の現実と悲しい女性の物語。
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