実在の人間についての映画となると、どこまでが事実でどこが架空のストーリーなのかやたらと気になってしまう。
本作で言うとあの腹黒い画商の存在。どさくさに紛れて略奪する様に作品を持って行ったあんな画商が本当にいたのだろうか。
モディリアーニのエピソードといえば彫刻から派生した独特の画風、病弱、美男子、酒浸り。
若妻ジャンヌはモディリアーニの死後2日目に1歳の娘を残して身重の体で投身自殺。
今作はモディリアーニの死で終わっていてジャンヌの悲劇までは描いていない。
純粋にモディリアーニを愛し、その絶頂期にいる彼女の笑顔でラストになるところが何とも切な過ぎる。
アヌーク・エーメの大きな瞳が言葉以上にその切なさを物語っている。
モディリアーニ役のジェラール・フィリップは確かに美しい。
しかしイタリア人のモディリアーニとは雰囲気が違う。
改めてイタリア人には野性的な美があるな...と実感したのであります。笑
そして監督はあの名作「穴」のジャック・ベッケルだったんですね、それも驚きのひとつでした。