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レッド・ノーティスのYYamadaのレビュー・感想・評価

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)
3.7
【アクション映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ◎: 心理描写より外面的な動作を重視
 ▲: 格闘・戦闘を解決の糸口とする

◆作品名:
レッド・ノーティス (2021)
◆アクション映画のジャンル
現代劇 / 伝説の秘宝の争奪戦
◆類似作品
・インディ・ジョーンズ・シリーズ
・ワイルドスピード・スーパーコンボ
・ルパン三世

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・「レッド・ノーティス」とは、インターポール(国際刑事警察機構)が最重要指名手配犯対して発令する国際手配書のこと。重大犯罪者を追うFBIのトップ捜査官ジョン・ハートリーは、大規模な美術品泥棒計画を仕かける世界最高の詐欺師ノーラン・ブースと凄腕の大泥棒ビショップと出会い、とある理由から彼らと手を組むことになる。
・立場が全く異なる3人は、それぞれの目的のために前代未聞の強盗計画に挑むことになるが…。

〈見処〉
①鮮やかな手口、盗みの美学。
・『レッド・ノーティス』は、2021年にNetflixから独占配信されたアクション・コメディ。監督のローソン・マーシャル・サーバーは『セントラル・インテリジェンス』『スカイスクレイパー』に続くドウェイン・ジョンソンと3度目のコラボ作品となる。
・主演は『ジュマンジ』シリーズのドウェイン・ジョンソン、『デッドプール』のライアン・レイノルズ、『ワンダーウーマン』のガル・ギャドットというハリウッド最強の豪華キャストが共演。FBI捜査官と詐欺師と泥棒が手を組み、かつてない強盗計画に挑む姿を描いたアクションエンタテインメントに仕上がっている。
・本作は2018年にドウェイン・ジョンソンとサーバー監督が温めていたアクション映画をユニバーサル・ピクチャーズが入札にて配給権を獲得。2020年11月公開に向けプロジェクトを始動も、ジョンソンが出演する『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の制作スケジュール影響にて遅延。結果、2019年7月にNetflixに配給権が移行されたが、「コロナ禍」発症前に権利を譲渡したユニバーサル・ピクチャーズには先見の明があったのかもしれない。

②高額制作費
・本作の制作費2億ドルは、かつての『タイタニック』や、近年の『ワイルド・スピード/スカイミッション』『テネット』『ワンダーウーマン1984』などハリウッド映画歴代上位にランキングされるほどの規模。
・その理由は、世界各国に散らばるロケ撮影、複雑なCG特殊視覚効果に加え、主演3人のギャラだけで制作費の1/3を占めているからに他ならない。
・Netflix史上最大の制作費となったことが話題となった本作であるが、もっともNetflixによる年間制作費は約2兆円。日本の民放テレビ局は軒並み500億円~1000億円のなか、群を抜くNetflixの莫大な予算のわずか1%の投資にて、Netflixの歴代映画視聴数1位の『バード・ボックス』を超えるペースの話題作を獲得することは、もはやハイリスクではなく、莫大なNetflixの予算に対抗出来るのは、Disneyだけかもしれない。

③結び…本作の見処は?
劇場公開していたら、制作費回収は厳しかったかも?
◎: ドウェイン・ジョンソン、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドットの持つイメージに沿った役柄それぞれ見どころがあり、大画面で鑑賞出来ないのが残念なほど。彼らのコメディタッチのアクションは、肩肘張らず、気軽に鑑賞出来る娯楽大作に仕上がっている。
◎: 窃盗アクションの集大成のような作品であるが、とくにインディ・ジョーンズ全4作それぞれのオマージュ・シーンが目白押し。ライアン・レイノルズの口笛による「レイダースマーチ」も嬉しい。
○: ハリウッドの「おぼん・こぼん」、ドウェイン・ジョンソンが、天敵ヴィン・ディーゼルをディスるセリフは要注目。
○: 各ロケ地の切り替えシーンは、ハリウッド初と言われる「一人称視点のドローン撮影」が印象的。とくに冒頭ローマのシーンでは空撮からドウェイン・ジョンソンに迫る撮影技法は、ドローンに乗っているように感じることが出来る。
▲: 主要キャスト3人の魅力溢れる作品ながら、それぞれの主演作品のレベルに届いていないのは、キャラクター同士のシナジーが弱いから。とくにガル・ガドットの使い方はかなり勿体ない感あり。
×: マグガフィンとなる「クレオパトラの卵」に神秘的な魅力なし。「時価総額300億円!」といいながら、本作制作費200億円と比べると、高額感も弱まるも残念。
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