だしつゆ

ヴァンサンへの手紙のだしつゆのレビュー・感想・評価

ヴァンサンへの手紙(2015年製作の映画)
4.0
子どもたちが生き生きと手話でコミュニケーションを取る様子を見て、手話がろう児、ろう者にとってどんなに切実に大切なものであるかをはじめて知った。

そして、豊かな手話の世界があるということを示すだけではこの映画はそれだけで終わらない。
ろう者と聴者の間を隔てる圧倒的な何か。
前半に登場するろう児を持った聴者の親のまとっていた雰囲気。
愛していると言いながら、同時に拒絶を感じるといっていたパトリック。

大好きなのに、向き合い方がわからなくてどこか投げやりになってしまう。
真剣になるほど、心の隅で相手を拒絶しているのではないかと疑念が湧く。

自分と相手との間の違いが問題になったとき、それをどう乗り越えるか、、
監督とろう者の世界との距離感、それから原題“J’avancerai vers toi avec les yeux d’un sourd”(ろう者の視点であなたに寄り添う)が私にとってはひとつのヒントになった。
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