開明獣

エリック・クラプトン~12小節の人生~の開明獣のレビュー・感想・評価

5.0
旧3大ギタリスト、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ、エリック・クラプトンの中では、ジェフ・ベック推しだったのよねー。ベックはクロスオーバーで一時代を切り拓き、ペイジはなんと言ってもあのツェッペリンのギタリストだったしね。クリーム以降は、割とレイドバックしちゃった、スローハンド・クラパーは地味に見えて、当時のキッズにはあんまり人気なかったんだよなあ。どっちかて言うと、リッチー・ブラックモアとかジミヘンとかの方が人気あったかな。

でも、エディー・ヴァンヘイレンがクラプトンの大ファンだったと聴いて、よく聴くと確かにタイム感が似てるんだよねえ。ベックはあとノリ感強く(だからジャージーなのに向いてたんだろうなあ)ペイジは割と前ノリでツッコミがちなので、3人とも個性強くて面白いんだよねえ。

で、60年代から活躍したロックミュージシャンの殆どが、クスリと酒で身を持ち崩していく中、クラプトンも例外ではないのよ。物静かな英国紳士のイメージどころか、ドラッグ、酒、女にだらしない、すぐに切れるアタオカダメ野郎だった訳ですよ。

奥さん寝取られたジョージ・ハリソンが、「バイバイラブ」ってカバー曲でクラプトンとパティを皮肉ったのは有名な話し。親友の奥さん強奪して、ヤク中でアル中って、超絶人非人な人生送ってきた訳ですよ。

そんな自分の人生を自虐混じりに自分で語ってしまうのが、この作品のいいところなんだよね。「俺は色々地獄見たけど、ギター弾き続けて人生なんとかやってきたよ!」って。好きなものにまさるものなし!!って、さかなくんにも繋がるところがあるかも。

コロナ前にクラプトンの来日コンサート行ったんだよね。なんか、前より上手くなってるんじゃないの!?って、ビックリした覚えがある。

ギター一筋、回り道もしたけど、愚直にやってきたクラプトンが、「しくじり先生」に出演してくれたー、みたいな作品はなんかとてもジワるのです。
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