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ロケットマンのsnowwhiteのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.3
知らなかった。エルトン・ジョンがこんなに可愛そうな子供時代だったなんて。
王立アカデミーを卒業したピアニストというイメージから勝手に何不自由なく暮らしてきた裕福な家のお坊っちゃま、家族からも愛されて育った幸せな人というイメージで彼を見ていた。



(ネタバレあり)
父からも母からも愛されず孤独な少年。滅多に家に帰ってこない父、母も子供に興味がなく所謂ネグレクト。祖母だけが優しい言葉をかけてくれる。祖母の助言でピアノを習うことになり才能を認められ王立アカデミーから奨学金を得る。

音楽好きの父に認めて欲しくて一生懸命ピアノを練習するが父は息子の才能に興味がない。

やがて母の不倫が発覚し、両親は離婚。母はロック好きの不倫相手と再婚する。新しい父の影響でロック好きになる。

酒場でピアノを弾いたりしながらミュージシャンを目指し…。

やがて詩を書く才能のあるバーニーと出会う。2人は会ったその日から意気投合しその後長きに渡ってバーニーは歌詞、エルトンは曲を作る。

バーニーとは良き友情を育むがミュージシャンとしては中々芽が出ない。

やっと曲をヒットさせスターになり父に会いに行くが相変わらず父はエルトンに興味がない。再婚して小さな子供達を可愛がる父を見たエルトンが
可愛そうでならなかった。

そしてジョン・リードとの出会い。ジョン・リードの名前は以前から知っていた。QUEENのマネージメントをしていたから。
そう言えば🎦ボヘミアン・ラプソディーにも出ていましたね。QUEENファンはみんな知ってるジョン・リード。彼がものすごく悪い人に描かれていてびっくりした。

恋人として破綻した後もビジネスで関わっていたのはそれ程驚きではないけれど、エルトン・ジョンが解雇しようとした時のジョン・リードの言葉が衝撃でした。エルトンが死んだ後もずっと自分に印税が入って来るから怖くないと。銭の亡者と言うより何処までも付きまとう悪魔のように思えてゾッとした。

傷つきボロボロになったエルトンはバーニーまで遠ざけてしまうのが悲しい。

バーニーが田舎に帰ると言いに来て一緒に行かないかと誘ってくれたのに行かなかった(行けなかった)エルトン。

子供の頃から誰にも愛されず恋人にも愛されなかったからバーニーの真の友情に気付けなかったんだね。実はここが一番エルトンの不幸なところかも知れないと思う。

愛されることを知らないから誰も信じられないのだ。信じて裏切られる人も不幸だけど、エルトンの様に誰も信じることが出来ない方が実は不幸なのかも知れないと思う。

最後にバーニーの真の友情に気付けて良かった。バーニーが本当に善き人で良かった。エルトンがバーニーと出会えて良かったと心から思う。

バーニーのような信じられる人と出会えたからこそ、また人を愛することが出来て結婚も出来たのだよね。エンディングで実際の映像が出てて幸せそうで良かった。

(余談)
昔1970年代にElton Johnの🎵Your Songのoriginal video( https://youtu.be/CrznwpD-2tk )を見た時に、僕も写りたいよーと言わんばかりに横から登場する男性がいた。

「何、この人?どういうこと?」と思ったが、10年後エルトンがゲイだと分かってきっとあの男性はエルトンの恋人だったんだなと思っていた。

しかし、今🎦ロケットマンを観て、あれはバーニーだったのだとやっと理解した。遅っ!笑😂
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