ヘンダーソン

スピルバーグ!のヘンダーソンのレビュー・感想・評価

スピルバーグ!(2017年製作の映画)
4.2
スピルバーグ作品をある程度興味を持って観たことのある人なら、かなり楽しめると思う。
・『アラビアのロレンス』に強いインスピレーションを受けて、映画を撮り始めたこと。
・初期作品のテーマは『強者に追われる弱者』であること。
・スコセッシ、ルーカス、コッポラ、デ・パルマといった面々とのサークルがあり、互いに仲間として切磋琢磨したこと。
・『E.T.』では異星人を描きたかったわけではなく、離婚が子供に及ぼす影響についてがテーマであること。

父と息子の関係、こんなにもこのテーマを作品に入れ込んでいるとは知らなかった。母親の再婚相手が父親の親友であったことは、スピルバーグに強いトラウマを与えたのだろう。

郊外信奉者、家族は仲良く離婚などない、絆はバラバラになった後に強く等、虚構であることはわかりながら、そこに理想を持つのは、そういった部分に起因しているのかもしれない。

『監督でも訳がわからなくなることがある。それを悟られるな。尊敬を失うから』という言葉が好き。