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馬上の二人のHKのレビュー・感想・評価

馬上の二人(1961年製作の映画)
3.7
ジョン・フオード監督の西部劇を久しぶりに鑑賞。本作はCS録画で初見。
主演は全盛期の頃のジェームズ・スチュワートとリチャード・ウィドマーク。
フォードのかなり後期の作品ですが、この2人と組んだのは本作が初めて?
翌年にスチュワートは『リバティ・バランスを撃った男』で、3年後にウィドマークが『シャイアン』でフォード作品の主演(スチュワートもちょっと出てます)をしています。

原題は“Two Rode Together”。
旧知の仲の保安案スチュワートと騎兵隊中尉のウィドマークはかつてコマンチ族に拉致された白人の女性や子供たちを返してもらうため2人で交渉に向かうことになりますが・・・

拉致から10年近く経っており、何十人もいたはずの白人の多くが既に死んだり売られたり。
わずかに残る数名もコマンチ化しており、もはや戻る意思のないものや戻ったら戻ったで救出を望んだはずの白人たちから差別されたり殺されたり。

やはりコマンチ族にさらわれた娘の救出の旅が描かれるフォードの代表作の1本『捜索者』の姉妹編のようなシチュエーションですが、本作を『捜索者』の6年後に撮った意味とは。
西部劇ですが銃の撃ち合いはほぼ無く、人種差別や人間の身勝手さが描かれ、ラストは複雑な余韻を残して終わります。

出演は他にウィドマークと恋仲になる町の娘にシャーリー・ジョーンズ(この後、私の大好きな作品『テキサス魂』ではスチュワートの彼女として再共演)。
拉致された後に帰還するも白人たちから差別されるヒスパニックの女性にリンダ・クリスタル(『マジェスティック』『アラモ』)。
好戦的なコマンチに筋肉ムキムキのウッディ・ストロード(『リバティ・バランス』『スパルタカス』)など。

やっぱりフォード作品はセリフが洒落てますね(脚本はフランク・S・ヌージェント)。
HK

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