実在の画家ゲルハルト・リヒターをモデルにした物語
戦争とドイツの東西分断に翻弄されながらもそれを芸術を生み出す原動力にしてより昇華させていく主人公
一方で戦時下で植え付けられた優生思想に引きずられ自分の娘の身体まで傷つけてしまう妻の父親
彼もナチスの被害者なのかもしれないけど娘の人権を軽んじるのはまた別問題
序盤の出来事は叔母さんの美しさも相俟ってドラマティックに描かれているけどそれがスッキリと回収されるわけでもなく静かに物語が進んでいく感じでした
そんな中でもエリーとの恋愛や西へ渡ってからの芸術学校の友人や先生との交流場面は癒されるシーンでした
自身の叔母と妻の父親のこと以外はどこまでが事実かは明らかにしてないようで画家の半生としてはリアリティを感じられず物足りないのですがフィクションとして見れば不思議で面白い話でした