へただなあカイジくん…へたっぴさ…!映画の作り方がへた。
開始6分間ナレーション任せでストーリーを語ってしまうところに盛大な不安を抱えつつ、見終わった頃には「予感は的中してしまった」と天を仰ぐ。そんな作品。
一言で言えば劣化版新宿スワンなんだけど(新宿スワンがそもそもコピーするだけの価値のある作品だとは思わないが)、なによりひどいのが物語の核を朗々と主人公に言わせてしまっていること。そこは映画的に語れよ。
演説の内容も内容で、人生に背負ったハンデが「パンチパーマ」って。軽いにもほどがあるだろうよ。タンカを切ったその相手が人知れぬ不幸を背負って生まれた可能性の方が断然に高いだろう。だって比較対象がクセっ毛だよ。
唯一面白そうな舞台装置である「口の中のジャリッという音」ですら特に伏線回収もされないまま物語序盤で放置。マジでないわー。
キャスティングもキャスティングだ。全員死刑でいい演技を見せた毎熊克哉もダダ滑りしているし、吉倉あおいもどうなんだろう。もう少し肉感的な女性をキャスティングしたほうが良かったのではないだろうか。この物語に必要なヒロインはモデル的な美しさではないと思うんだよな。
久しぶりにひどい映画体験だった。日本の夜の世界を描いた映画といえば…と色々思い出してみたけどあまり面白いのがなかったので、今回はオススメなしで！
