GUMI

ラストレターのGUMIのネタバレレビュー・内容・結末

ラストレター(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

森七菜ちゃんの歌うED「カエルノウタ」に全て持っていかれた。

何あの表現力オバケ!!!!!
彼女の役どころとしては、どちらかと言うと恵まれた環境で育っているので本人の経験上ではないものの、想像力豊かで人の傷みに寄り添える…だからこそ、この歌唱は第三者視点で語られているようで圧倒的説得力がある。素晴らしい…本編よりも鳥肌が立った。


小説は半分ほどで挫折してしまったので、筋は映画で把握。辛い…
トヨエツの台詞に腹が立っても確かにそれは正論で。フィクションなので、自分がちゃんと初恋相手の心の拠り所になれていたことが分かり、存在価値を見い出せたから前を向けるものの。
想い続けて答えを出さずに温めておくのもロマンだけど…誰かがあと一歩で諦めると、それが癌のように拡がり世界が黒く染まってしまうようなお話。

取り返しの付かない状況と心情に反して、岩井俊二の撮る風景たちは眩しくて明るくて後ろめたい。
辛い時に縋る過去が自分にはあるだろうか。どうして人は前を向けるんだろうか。良い答辞でした。
けどもやっぱり時代設定が合ってるんだか何だかな違和感。古き良き時代に思いを馳せて投影したような空気感が、かしら。

既視感あると思ったら同監督のLove Letterだったし、ちゃんとミポリンもトヨエツも出てるじゃんね。
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