とても残酷なサイコ・スリラーだと思いました!
リサ(マギー・ジレンホール)は、ポエムの才能があるジミーという5歳の男の子を開花させようと応援する幼稚園の先生なのですが、これが非常に心がザワつくのです!!
ジミーは自分が詩を作っているなんて思ってなくて、詩が浮かんできたときは部屋の中をウロウロしながらそれを口ずさむだけで、書き留めて置くことすらしない。
それに気がついたリサは、なるべく書き留めるようにし、ジミーに才能があることをジミーの親に伝えたりし始めるのですが、なんかザワザワします。
というのも、リサは自分の夢をジミーに押し付けているようなところがあるんですよね。週に一回夜間のポエムのクラスを取っていたり、自分の子供たちがネットばかりやって読書をしないとか、「写真の才能があるんだから、お父さんのカメラを持って撮影したら」なんて娘にいうんだけど、「スマホで撮るからいい」とか言われちゃったり。
ポエムのクラスでも、月並みな作品しか作れなくて、クラスの中でも全く注目されない。
とにかく、リサのことを承認してくれる人が劇中一人もいない。ジミーは子供だから、自分の才能を認めてくれている人だって感謝するというより、「変なおばさん」って感じで全く打ち解けないし、ジミーの親は息子を気にかけてくれるのはありがたいけど、詩人にする気はないし、幼稚園のアシスタントの若い女性は、リサがジミーを特別扱いすることに「?」って感じだし、リサの子供たちはお母さんのことを「芸術家気取りのさみしい大人」みたいに扱う。
リサはこういう、全く承認欲求が満たされない生活を送っているので、ジミーの才能に誰も気が付かない、気にかけないのはジミーのためにならない、と思っているのでしょうが、彼女の行動が・・・・
このリサを演じるマギー・ジレンホール(ジェイク・ジレンホールのお姉さん)が、ドハマりなんですよね〜!!服装がいかにもこういう芸術家崩れというか、こういう格好してるよな〜、これ見て娘とか「全くうちの親は・・・・」って思うんだろうなって納得させられるというか。
あと、マギー・ジレンホールのあの独特なブス感、わかりますか?目が真っ青ですごく可愛いんだけど、鼻から口にかけてがちょっとグロテスクなくらい、バランス悪い顔なんですよね。それプラス、ヒョロっとしているんだけどスタイルが良くなくて、胸の垂れ具合とかなんだか気持ち悪い。
こういう風に書くと蔑んでいるようにしか聞こえないけど、この独特の雰囲気が映画のトーンにすごい合ってるんですよ!
こうしてあらすじ・概要みたいに書くと全く伝わらないと思うんですけど、映画を観ていると、心のザワザワがどんどん積み重なって、
ザワザワ・ザワザワザワ・ザワザワザワザワ・・・・
って、この感じを是非味わっていただきたいです!
ラストがすごい好きなんですけど、ネタバレになってしまうのでコメント欄で!