ぶみ

フロントランナーのぶみのレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.0
裏切ったのは、マスコミか、国民か、それとも彼自身か。
マット・バイが上梓したノンフィクション、『All the Truth Is Out : The Week Politics Went Tabloid』を原作とし、ジェイソン・ライトマン監督、ヒュー・ジャックマン主演により映像化した実話をベースとしたドラマ。
1988年のアメリカ大統領選挙において、最有力候補(フロントランナー)とされたゲイリー・ハートが、ある疑惑により失脚してしまう姿を描く。
主人公ハートをジャックマンが演じているほか、彼の妻をヴェラ・ファーミガ、選挙事務所の参謀としてJ・K・シモンズが登場。
物語は、ジャックマン演じるハートの選挙戦が描かれるため、選挙の裏側を垣間見ることができるものになっているとともに、スキャンダルを掴もうとするマスコミの必死さというか、品位のなさが伝わってくる。
まあ、確かにハートの脇の甘さが原因ではあるが、その一点を捉えて鬼の首を取ったかのように報道する様は、どこの国も同じであり、それは選挙の本質とは全く次元の違うこと。
ただ、自分の行動が、どれだけ世間に影響を与えるのか理解できないのも権力を持つ人の特徴であり、正直どっちもどっち。
衆議院のカーボンコピーと揶揄される参議院選が始まった今、こんな話題で盛り上がることのないよう祈るしかない一作。

自分の品位に泥を塗るな。
ぶみ

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