カメジローこと瀬長亀次郎という傑物について、そして彼を語るに欠かせない沖縄の歴史を知るにも良い作品だと思った。
厚顔無恥につき、沖縄についてなんて大して知りも気にしたこともなかったけれど、渦中を知る人々の声や伝聞から、戦中戦後の沖縄って言うのは沖縄人には本当に生きるに厳しい場所だったと伝わってくる。カメジローの活動している映像が流れたり、彼の大量の日記の内一部が読まれたり、それだけでなく親族や知人も彼について語るのだが、それらはとても肉々しい。実父に蔑まれても、投獄されても、思い挫かれても、諦めずに多くを率いて、沖縄占領解消までこぎ着けたカメジローさんの圧倒的行動力は偉大だ。
クラシックなBGMは没入感を強めてくれて、島人たちの想いと混ざり合って心にすっと染み入る、良い曲ばかりだった。
