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ジョーカーのkahoのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジョーカー、ジャックニコルソン、ヒースレジャーが演じたのが有名すぎて、それぞれ完成されてて、どうなるのかなと思いつつ鑑賞。

鳥肌ものでした。
暗く汚れた世界の底辺で、虐げられる側のアーサー。最初から、最後はジョーカーになる人って思いながら見てるんだけど、虐げられてるシーンは同情心も感じさせる。
それでも、周りが不気味に思うのもしょうがないような風貌と言動で、高笑いは病気なのか本当に?って、むしろ周りに共感も覚える。(虐げられて当然とまでは思わないけど)

憤りを露わにする度に、狂っていくのかと思いきや、そうでもない、、最初の殺人の後の行動の異常さ。彼はそもそも狂っているのでは、と感じさせる。彼の妄想と現実の境がこちらも分からなくなる。

誰も愛してくれない、誰も見てくれない、見られてもその眼に浮かぶのは拒否と軽蔑。。信じていたものは初めから狂気と妄執で、周りの発言こそが真実だったと知って、怒り狂うのは必然とも思えるけれど、自分の人生は喜劇だって言う、その結論。
暴動の起きた街を美しいと言って、笑い踊るその様は、やっぱり最初から、、って思う。

普通じゃないものに対して、人はどこまでも残酷になれる。。人そのものが恐くなる作品でした。博愛とか、慈愛とか、そういうのを全く感じさせない、自分が平和なら苦しむ人に手を差し伸べない、差し伸べられるところまで来ないことが悪いと蔑む世界で、それが本質だって笑うジョーカー。だったら自分も偽らないと選んだ姿がそれで、理解も求めない。。

体型から表情から挙動の一つ一つまで怪演、名演でした。
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