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SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARDのERIのレビュー・感想・評価

4.0
観終わってすぐは胸がいっぱいで、レビューが書けなかった。やっぱりとてもかっこいいよ、ハイスタ。

Hi-STANDARD。気がついた時には、彼らの成し遂げたことや流儀だけは漏れ伝わっていたけれど、パンクでロックな音楽だけを残して、もういなくなっていた。2000年代は音楽シーンもどんどん変化していって、その頃には新曲を聴けなかったんだなぁ。

そんなハイスタが2011年から活動を再開して、この映画ではとても赤裸々で痛くてでもやっぱりかっこよ過ぎる音楽を、生き方を、これでもかとみせてくれている。

この映画の中の難波さんも健さんもつねさんも、すっごい丸裸で話してくれてるのにやっぱり、この3人にしかわからないものがあるんだろうなというところもあって、私たちはただただ音楽を聴いて彼らの選択を見ている他ない。

90年代のハイスタが出来たばかりの彼らもかっこいいけど、いまもうんとかっこいいね。

90年代のCDがめちゃくちゃ売れた時代に、メジャーに行かずに音楽を届けた彼らの美学に、まるで伝説みたいにひとつひとつを自分たちで考えて決めるハイスタに、彼らの正義をみる。

運命みたいに3人が出会って、音を鳴らして、曲を作って。ライブをして、駆け抜けた先に、バンドがレコード会社を作るっていうめちゃくちゃ無謀なチャレンジをして、バンドのバランスが崩れて、体調が良くなくなって、みんながどんどん孤独を抱えていく時間は言葉が出なかったなぁ。そんな時間のことを難波さんや健さんやつねさんは、真っ直ぐに包み隠さず自分たちの言葉で話していた。胸が苦しくなるぐらい。

2000年のAIR JAM。打ち上がった花火と見上げるバンド。その時鳴ってた音楽が胸を掴んで離さない。あぁ。

そして2011年の震災の後、なにかがひっくり返ったみたいにまたAIR JAMでハイスタの音が鳴った時の鳥肌。健さんはカラオケみたいだって言うけれど、かっこいいもんはかっこいい。お客さんをみて、泣く。

1999年のアルバム「MAKING THE ROAD」から18年の時を経てつくられたアルバムが「THE GIFT」って。最高だ。

生きていてくれて嬉しい。音楽を続けてくれて、嬉しい。生きるってことがこの映画にはいっぱい詰まってたよ。
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