福福吉吉

ムルゲ 王朝の怪物の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ムルゲ 王朝の怪物(2018年製作の映画)
3.5
疫病をもたらす「ムルゲ」という物の怪の噂が民衆の間に広まり、混乱を招いていることから、王は追放された武人、ユン・ギョムを呼び戻し、ムルゲ捜索を命令する。しかし、ムルゲの噂の裏には王の失権を狙う高官ヨン・イジョンの企てがあった。陰謀の渦巻く中、ユン・ギョムは仲間や民衆とともに仁王山(イナンサン)に向かう。

ストーリーは権力闘争とムルゲ退治の二本を軸に進んでいき、権力闘争の陰謀が常にきな臭い雰囲気を醸し出しており、何が起こるか分からない緊張感のある展開で、最後まで面白く観ることができました。

主人公のユン・ギョム(キム・ミョンミン)は最強の武人と言われながらも、民衆の安全を重んじる清廉な性格であり、元部下のソン・ハン(キム・イングォン)がひょうきん者で罠の使い手、娘のミョン(イ・ヘリ)はチャーミングでありながら医術に詳しくて弓の名手、王の信任厚いホ宣伝官(チェ・ウシク)はひ弱ながらミョンに惚れて必死に戦う頑張り屋といった個性的でいて応援したくなる面子が揃っていて、感情移入しやすかった。

それに対して、王の権力失墜を狙うヨン・イジョンはかなり計算高く、民衆の命を平気で犠牲にする極悪ぶりで、悪の首領として上手く描かれていました。

そして、物の怪であるムルゲは大きいながらスピーディーに動きまわり、容赦なく人を襲うシーンは非常に迫力があり、ムルゲの襲撃に混乱する人々の姿はモンスターパニックとしても良く出来ていたと思います。また、ムルゲの存在に関する設定も面白かったと思います。

なかなか面白かったと思います。私は好きです。
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