高橋典幸

まっ白の闇の高橋典幸のレビュー・感想・評価

まっ白の闇(2017年製作の映画)
4.5
映画「まっ白の闇」(監督・脚本・原作:内谷正文)を、横浜のシネマ・ジャック&ベティで鑑賞。目に涙が溢れました。

薬物の怖さ、薬物依存症者の苦しみ、共依存症の家族の苦しみ、そして、薬物依存者回復施設ダルク今日一日ハウスや家族会での回復への希望の光を、内谷監督ご自身の実体験を元に描かれた物語。

上映後は、内谷正文監督、百瀬朔さん、光藤依里さんの舞台挨拶トークショーが15分程ありました。

内山監督の実感のこもった言葉一つ一つに重みを感じました。公式サイトにも記載されていますが、内山監督ご自身の声で聴くことができた思い。

私は薬物を使っていた人間。そして大切な弟を薬物の世界に引き込んだ、だから、薬物をやるな!なんて偉そうに言わない!ただ薬物をやったらこうなるよって実感をこめて伝えたい。 薬物の怖さ、依存症という病気の現実を観て、感じてもらいたい!そして、自分が薬物の世界に戻らないために活動を続けています。一度、薬物と関わった人間は一生関わり続けなきゃならない・・・苦しい現実です。 人との関わり、家族や仲間の大切さを知ってもらいたい。苦しんでいる人たちに回復の光があることを知って欲しい。

主演の葉山俊を演じた百瀬朔さんお見事でした。実際には薬物のご経験がない中で、最初に薬物を入れた時、その後、症状がどんどん悪化していく様子、そして、回復へ向けての様子を、体現されていました。今日、実際にお会いさせていただくと、細身で笑顔の爽やかなイケメンでした。

幻覚の白い悪魔・桜子を演じた光藤依里さんは執拗な不気味さを怪演。スクリーンいっぱいに俊が見る幻覚として不気味な表情のお顔と誘惑と笑い声で登場するので、どんな方かと思いましたが、細身でとても笑顔の可愛らしい素敵な方でした。

トークショー後は、サインと写真撮影ありがとうございました。

映画「真っ白の闇」、素晴らしい作品です。
昨年、新宿 K's cinema のスクリーンで予告編を観て、これは是非とも観たいと感じたものの当時見過ごしてしまった作品。やっと、鑑賞することができました。シネマ・ジャック&ベティ館長さんが本作を鑑賞されて、上映を決断されたとのこと。現状、配給会社がない自主製作映画。上映ご英断に感謝です。
高橋典幸

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