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虐待の証明/ミス・ペクのkuuのレビュー・感想・評価

虐待の証明/ミス・ペク(2018年製作の映画)
3.5
『虐待の証明/ミス・ペク』
原題 미쓰백/Miss Baek.
製作年 2018年。上映時間 98分。
実在の児童虐待事件をもとに、憎悪と悲哀の連鎖を壮絶な描写で描いた韓国製ドラマ。
ハン・ジミンが心に傷を負った主人公を体当たりで演じ、第38回韓国映画評論家協会賞で主演女優賞を受賞。
共演にイ・ヒジュン、ペク・スジャン、チャン・ヨンナム。

母親から虐待を受け施設で育ったペク・サンアは、心に傷を抱えたまま生きていた。
レイプ事件に巻き込まれた際は犯人の父親が有力者だったため、逆に彼女が刑に服すことに。
刑事ジャンソプはサンアを常に気にかけていたが、彼女は出所後も荒んだ生活を続けていた。
ある日、サンアは夜の街の片隅で震えている少女ジウンと出会う。
お腹を空かせたジウンの身体は痣だらけで、誰かに虐待を受けているのは明らかだった。
そんなジウンの姿に過去の自分を重ね合わせたサンアは、彼女に手を差し伸べようとするが私が見た。。。

今作品は、不幸な境遇にある2人の女性と1人の少女が、それぞれの理由で争う物語。
韓国のソープオペラで有名になったハン・ジミンが、虐待や不運な境遇を乗り越えた、スレた女子を感情豊かに演じている。
彼女の他の作品を見たのを思い出せないが、彼女のキャリアの中で非常に重要な位置を占めているんじゃないかな今作品は。
また、少女役のキム・シア(韓国ゾンビドラマ『キングダム: アシンの物語』で主人公の子供時代を熱演しとったなぁ)は、その瞳と身のこなしから無邪気さと痛々しさを放っていました。
ミギョン役のクォン・ソヒョンは、ペクの敵として、あらゆる場面でハンに対抗するためにあらゆる手を尽くしている。
んはぁ~ムカつく。
彼女はミギョンを悪い継母の典型から、自分の置かれた状況に精一杯立ち向かう複雑な女子へと昇華させ、主役のヒロインに負けないほどの説得力を持たせている。
しかし、まぁここまでイラつかせる役が嵌まってる女優あまりいないなぁ。
ある意味、彼女はペクに思いやりと共感が欠けていたら、醜く歪んだ鏡のような存在になっていたかもしれない。
この2人のアンチ・ヒロインの戦いは、ソウルの郊外で繰り広げられ、そこでは、主流派から無視され、存在感の薄い下層の人々が、日々の暮らしのために奮闘している。
煌びやかな街並みから離れたカメラワークは、硬質なリアリズムを醸し出し、タイトな脚本を完璧に際立たせていあ。
初監督のイ・ジウォンにとって、この『虐待の証明』は最高の作品と云えるんかな。
面白い作品でした。
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