阪本嘉一好子

An American in Texas(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

An American in Texas(原題)(2017年製作の映画)
4.5
 場所はテキサス州、ビクトリア、ブッシュ大統領は湾岸戦争が始まることをテレビが知らせている。それと同時に、若者がマスク、実は覆面マスクをして、裕福そうで、家族が家を空けているところに入り込み、斧やバットのようなもので家具を壊していく。かなりインパクトのある始まりだ。なんだと!思って見ていた。ブッシュの演説に出てくる若者に対する賞賛はこの家を破壊している若者の行為とは真逆なので、滑稽だった。そして、これがテーマで、全てだと思った。
誰が、戦争に行きたい?
誰が政府の言いなりになる?
誰が、資本主義の餌食になる?
米国の湾岸戦争への政治背景に若者は怒り狂う、それに、プラスチック工場にも、当時の資本主義、消費文化。これらに、この五月蝿い音楽がマッチしている。これらの若者は迷いながらも自分の答えを見つけ出しているんだよね。

話題はこれらの若者とガールフレンド、カラ(Charlotte Best)のそれぞれの家庭のストーリーに展開する。高校生、カラの義理の父親はカラを性の餌食にしていて、カラの心の成長、人間を愛する自然な気持ちに不信感を与えてしまう。だから、バンドのボーカルのチャド(James Paxton)のスポンテニアスな愛情を受け入れることに躊躇してしまう。チャドは引っ越し屋の仕事をしているが、彼のやりたいことはロサンジェルスにバンドと行って、ヘビーメタルで認められることだ。でも、仲間のギタリストビリー(Tony Cavalero)はロスで成功することなんて非現実だとチャドの夢を否定する。病院でバイトをしながら大学に通うザック(Sam Dillon)は大学から成績(出席?)不振の通知がきたことによって、父親から今のままでいいのか解答を求められる。こういう若者のあつまり...


ちょっとヘビーメタル・パンク・ロックが鼻につくとこの映画を見るのが辛くなる。一人一人の若者の家庭環境、生き方、鬱憤ばらし、湾岸戦争が始まったことによって死への恐怖感と愛国思想などがよく現れているが、ヘビーメタルに寛容な人は頭痛なして見続けられるだろう。
試写 https://www.youtube.com/watch?v=aORQALTFT4Y

途中まで.