ひこ

夜の来訪者のひこのレビュー・感想・評価

夜の来訪者(2015年製作の映画)
5.0
なんとよくできたストーリーだこと。
余計なアクションやら仕掛けや映像はなく、
回想以外ほぼ全て、ある幸せ絶頂の裕福な家庭の家の中で行われる。
一人の来訪者が来ることでその幸せがどん底に突き落とされる。

教訓。
自分は関係ない、自分さえよければそれでいい、そういう部分は皆どこかにあるのではないか。
自分の奥にまである深い傷を負わせた者はなんともなく平然と生きている。と悔しく思うことがあるかもしれないが、
逆に
自分の何気ないことで誰かにとって取り返しのつかない深い傷を負わせている。
自分が関係なければ、自分さえよければ、人ってそうして生きていて
本当は、誰しもその両方があるのに被害者だと思い込んでいる。
その想像力を試された気がした。
もしその想像力があれば救えたかもしれないのだから。。。
死神。
気づく想像力。認める勇気。その瞬発で動ける行動力。

見終わった後、悪者が成敗されてスカッとするってことは全くなく、むしろ胸が苦しく、自分が胸に手を当てて振り返るべき作品。

たった87分という会話劇で見事。
なぜ彼らなのか、なぜ全員なのか深いことは気にせずにあっという間にのめり込んで観た。
音楽、キャスト、時代の美術や衣装。全て美しく本当に教訓としていい作品でした。階級社会とよく言われるイギリスを見れました。

グールという響きの意味…

2023年81本目
ひこ

ひこ