nccco

アートのお値段のncccoのレビュー・感想・評価

アートのお値段(2018年製作の映画)
3.0
鑑賞。
良くも悪くもアメリカって感じの超資本主義をアートを通じて体感する映画。「みんな作品の値段はわかってても価値はわかってない」これがこの作品の真理。途中、クーンズをウルフオブウォールストリートに例えてるとこが面白かった。つまるところ、そういうこと。

個人的にはダミアンハースト好きだから、落ち目のアーティストみたいにされてて嫌だった。色んな古典美術に裏打ちされた造詣の深さ、抜本的なバランス感覚の良さと強いメッセージ性。ただのホルマリン漬けアーティストじゃない面もあるのにね。リヒターはじめ、アーティストが「オークションじゃなくて、転売じゃなくて、きちんと美術館に買い取ってほしい」って言ってるのはホントに本音だろうなと思って、溜め息。

この過剰なアートバブルがはじけた後に何が残るのか。食いつくされずに自分の「アート」にこだわり続けられる人だけが残ってくれるといいけれど、さてどうなるやら。

アートバブルの導入としてはわかりやすくまとまっていると思うけれど、インタビューしてる人が偏ってて途中から飽きてくる。NYだけじゃなくイギリスや新興のアジアからの目線もあったらなお良かったデス。
nccco

nccco