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紅海リゾート -奇跡の救出計画-のfujisanのレビュー・感想・評価

2.6
勉強としては良い作品でした。

この作品は、イスラエル諜報機関のメンバーがエチオピア系ユダヤ人を救出し、5000人以上をイスラエルへ導いた「モーセ作戦」を映画化した作品。

救出の隠れ蓑として紅海に面したリゾートホテルを使い、ホテルとしての営業も行いながら難民救出をしていた特殊性から、映画撮影を偽装してイランから脱出した「アルゴ」と比較されることが多いようです。

ということで、史実を基にした映画なのですが、正直、映画としてはイマイチな作品でした。

・主人公に共感できない
クリス・エヴァンス演じる主人公のアリはとにかく行き当たりばったり、出たとこ勝負のキャラクターで、検問は強行突破するは、仲間の言うことは一切聞かないわで、仲間内は常にギクシャク。とてもモサドのエージェントとは思えない。これが事実としたら作戦の成功は単なる運に思えてしまう。

・脚本が謎
序盤でミッションに参加する仲間をアリ自身がリクルートしていくのですが、セクシー美人CAとか露出狂気味のマッチョとか、過去にアリと因縁ある医師とか、一癖ありそうな仲間たちを集めているのに、物語の中ではほぼ活躍しないっていう謎。

この作品が単なるアクション映画であればいいのですが、史実をベースにした、しかも途中でエチオピア人が大量虐殺されるみたいなシリアスな映画なのに、中途半端にコメディ要素が入っていて、アンバランスさを感じます。



個人的には、モーセ作戦は知らなかったですし、観たあといろいろな情報を見て、エチオピア系ユダヤ人が今もイスラエル内では迫害されてしまっていることなど、様々なことを知ることができたので、勉強になった作品ではありました。
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