masahitotenma

僕たちは希望という名の列車に乗ったのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.8
ラース・クラウメ監督による、実話に基づく人間ドラマ。
原作は、ディートリッヒ・ガルスカのノンフィクション『沈黙する教室』
原題:Das schweigende Klassenzimmer (2019)

ベルリンの壁が建設される5年前、1956年の東ドイツ。
ソ連の影響下にあり、西ベルリンへの移動は厳しい検閲を受け、西側の映画を見たりラジオ放送を聞くことは禁止されている状況下、ハンガリーで民衆蜂起にソ連が軍事介入して多数の犠牲者がでる。
鉄鋼の町スターリンシュタットの高校の進学クラスに通うクルト( トム・グラメンツ :父は市議会議員)は、
テオ( レオナルド・シャイヒャー:クルトの親友、 父は製鉄工場の労働者)、
レナ( レナ・クレンケ :テオの恋人)、
エリック( ヨナス・ダスラ:亡父は反ナチの共産主義の英雄)ら級友たちに犠牲者の追悼を呼びかけ、
投票の結果、19名のクラス全員で、授業中に2分間の黙祷を行った。
これは社会主義体制への反逆行為とみなされ、郡学務局員や国民教育大臣の調査が入り、一週間以内に首謀者を明かさないと、全員退学に処すという決定が下る。
調査の過程で、知らなかった父親たちの真実も明らかにされ、
生徒たちは、密告してエリートコースを進むか、裏切らないで進学を諦めるか、大きな決断を迫られる。

ラストは、西ベルリンに向かう列車のシーン…。

純粋に自由を求める姿が若者らしく溌剌としてとても美しく、とても危うい。
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