『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』
原題 The Grudge.
映倫区分 R15+.
製作年 2020年。上映時間 94分。

清水崇監督が生み出したJホラー『呪怨』シリーズ(お恥ずかしながらホラーファンと度々書いてて、まだシリーズの一つも見てません)を、アメリカで新たに映画化。サム・ライミが製作。
『ピアッシング』のニコラス・ペッシェ監督がメガホンをとった。

森の中に停まっていた車の中で変死体が発見され、報せを受けた刑事のマルドゥーンとグッドマンが現場に駆け付ける。
道路が閉鎖されていたこともあり、死体は何カ月も放置されて腐敗していたが、残された所持品から死体の生前の住所が『レイバーン通り44番地』だったと判明。
そこはグッドマン刑事が2年前に担当し、強烈な印象を残している『ランダース事件』の現場だった。
過去の事件と今回の死体の関連性を疑ったマルドゥーンは、単身でランダース事件の舞台となった屋敷を訪れるが。。。

今作品の製作者たちはホラーの多くのことを正しく理解している一方で、他のことでは全く理由なく抜け落としているため、ちょっと首をかしげざるを得ない部分もあった。
けど、オリジナルを見てないだけにか、単体のホラー作品としては悪くなかった。
映画のトーンや雰囲気はおどおどろしいし、常に恐怖感や絶望感があった。
また、一方では、CGIを使ったジャンプスケア(観客を驚かせ恐がらせることを意図して主に大きな恐ろしい音と共に画像、映像や出来事を突然変化させるテクニック。)はチョイびびった。
ただし、ホラー耐性お持ちの方にはわざとらしいテンポを嫌い、テンポが好きな人はジャンプスケアを嫌うので好まれないやも知れません。
しかし、疑問点はある。
つまり、これは誰のために作られたのか、という疑問。
監督はあるビジョンを持っていたが、スタジオは違うものを求めていたような気がする。
この妥協は誰のためにもならないかな。
また、リメイク、リブート、続編と、ハリウッドの重役たちが大好きなハイブリッドで、自分たちのアイデンティティがわからない。どれか1つを選んで、それでやってたなら素晴らしい作品になったんちゃうかな。
キャストはお馴染みの顔ぶれで、ハロルドも含めて皆さんいい味出してました。

どうでもいいことを徒然に書きなぐります。
お時間ある方は読んでいただければ幸いです。
また、そうじゃない方はすっ飛ばしてください。

生きとる時の恨みつらみを晴らす為に、地縛霊となった人間や動物達が、生きている人を襲い呪い殺す事がホラーではよくある。
地縛霊を含め悪霊には、普通に生活してる人からは、物理的攻撃を受けない。
なんか、かなり反則的な特性がある。
ブッチャーとジェットシンだって最後は負ける。
こちら人間様は運が悪くなったり、最悪、殺られるしかない。
色情霊には違う意味で殺られちゃう。
殺られたい気はするが。
神父や牧師、坊主に老師、はたまた霊能者と云われる何らかのスペック(恐らく霊験あらたかなもん)を持った奴らでさえ殺られる事もあるんやし、市井の人に太刀打ち出来るわきゃない。
それ故に、奴ら悪霊、地縛霊、浮遊霊、それに色情霊たちは一方的にZガンダム百式が使ってたメガバズーカランチャーのようなロングレンジ攻撃が可能になっとるのは許せない。
美女を襲うえなりかずき風色情霊も許せない。
一徹風色情霊ならそのままAVになりそうやけど、霊が写ったらの話やけど。
そもそも、悪霊たちとしては、生きとる時に、恐らく腕力・知力、それに顔面力等の圧倒的不利があったからこそ死後の復讐を選ばなければならなかったんやないか。
まぁ、それはそれで、事情が事情なら同情はするが。
ならば、その相手を殺して同じ土俵に乗せてしまったのでは、そこから苛烈な再反撃を食らう恐れがないんやろか。
フレディ vs. ジェイソンのように。
実際、そうなると悲惨凄惨見参。
地縛霊 vs. 浮遊霊
既に死んでいる以上逃げ場はない。
ただ地縛霊は地縛されてるし動きが限られてるかな。
云うなれば、片方の地縛霊は本人のテリトリーの前で、もう一方の浮遊霊は流れ者住所不定のヤカラ。
仮に、地縛霊が勝った場合、住所を知られてる地縛霊は、浮遊霊連合に仕返し、嫌がらせを受ける不利益がある。
逆なら殺り得殺り逃げ。
逃げるは恥だが役に立つ。
また、霊に寿命や賞味期限があるという話も聞かないので、賞味期限は映画や物語じゃあるかも(オワコンお岩さん)。
また、地縛霊は負ければ永遠にいじめられ続けそうな気もして悪霊界なら助太刀してやりたい存在。
相手から自分の存在を秘匿し、匿名でこっそり不幸へ追いやる、そういう方法が霊にとっては最善であるように思うし、浮遊霊が無敵の霊の世界。
まるで、ネット上のアンチな誹謗中傷カキコミする人みたい。
(実際、誹謗中傷する人は経済的に恵まれてるように霊も何らかの優位性がありながら)
こちらが恨まれなければ相手も幽霊にはならないとは限らない。
怪談に出て来る霊は大抵がヤル気満々自信満々誰構わず殺りまくり呪い罵る。
『うらめしやー、隣は蕎麦屋に、向かいは散髪屋』と誰彼構わずビビらせよる。
ビビったのがたまに柳や夜道を歩く婆さんて事も多々ある。
自分の存在を見えないはずなのに、出現の際はここぞとばかり誇示しよる。
部屋のグッズを右往左往させ、戸の開閉、電気のオンオフなどなど。
こちら、市井の人々が、せめてバトリオットミサイルの様に飛んでくる一発の弾道ミサイルに対して、撃ち落とせないかもしれないけど、何発も撃てたらええんやけど、いや、一時的にでも攻勢に立つ事さえできればエエねんけど。
そんなノリ雰囲気は霊にはない。
旅行で買ったパワー石、十字架、数珠の類いは多分きかないやろな。
霊たち当人は、恨み呪った相手が死んでも再反撃を食らわないちゅう確信をもっとるんかな。
所謂、確信犯。
霊は、生きている人間からだけでなく、霊からの攻撃も受けないのなら無敵。
霊が霊を怖がる必要はないんやし、精神的な攻撃もなさそう。
あるいは、霊は他の霊を全く認識できないのかも。
また、解らんのは、霊になると生きとる時の腕力や知力は完全に失われてもて、新たに霊力が発現するメカニズムはなんか？
生前にないスペックが宿ってんのは明らかやし。
人を中に浮かして投げ飛ばすなどなど。
もし、霊力は霊に対しても攻撃が可能であるのなら(徳を積んだ聖職者の霊力が霊を退散させれると謳ってる)、なら、徳を積む意味は多少あるかな。
逆に恨みつらみを爆発させる量に関係してんのなら、
恨みつらみ1000持つネズミさんの霊
Vs.
恨みつらみ100を持つゾウさんの霊
が戦ったら、ネズミさんの霊が、ゾウさんの霊をフルボッコするんかなぁ。
ある意味見てみたい。
ただし、呪い殺す相手の霊力が未知数なだけに危険な賭け。
霊力版スカウター(ドラゴンボールでお馴染み)を開発したら、霊力高い霊には近づかなきゃ良いはず。
多分、おんぶオバケは弱い。
あと、オバけのQ太郎も、霊力弱くてもフルボッコ出来そう。
また、霊になると霊力の変化同様に霊力スカウターをもスペックとして持てるのか？
生きている人間の霊力を見て取れるとか。
霊能者と自称する人たちが、小生をみて、霊力が高いと云うことが当たってるから、いまだに悪霊には殺られてない。
恨みはたくさんかってきたが。
また、地縛霊や浮遊霊になれるか否かは恨みの量に関係してるのなら、もし、地縛霊も浮遊霊も恨みの量はハンパないはずやし、両者が戦ったら、負けた方は、また恨みつらみを増大させ霊力は上がるはず。
霊が恨みつらみを持って死んだあとの霊。
キリないやん。
あくまでも、世界は無限の多重構造となってて(まぁ実際、そう説いてる宗教も沢山あるが)、霊の霊も、そのまた霊も存在すると過程したらの話やけど。
相手が同ステージにやって来るたび永遠に死後の世界へ逃げつづけ、一撃離脱のロングレンジ攻撃を続ける覚悟が当人にはあるんかな。
嗚呼これこそが、輪廻転生の苦しみの一つなんかなぁ。。。。
精進しなきゃ。

日本の呪怨に寄せてた気がする💨時間軸とかバラバラだったりするけど一つの家を軸に動いてるからわかりやすかった💨

ビビるシーンもけっこうあって海外の呪怨の中では面白いかも。

始まりは、あの忌まわしき佐伯家…そして、伽耶子の呪いの連鎖は…

森で見つかった変死体、捜査に当たった刑事マルドゥーンは、とある場所に行き着く。

"レイバーン通り44番地"〜そこにあるのは一家皆殺し事件が起こった一軒家。

調査の為、家に入ったマルドゥーン刑事の周辺には、やがて奇妙な現象が起こり始める…その家は決して立ち入ってはいけない場所だったのです…

“呪怨"のリブートである本作ですが、言ってみれば、伽耶子の呪いが本店からアメリカ支店へデリバリーされたようなもので、"呪い"は万国共通、海をも渡るのです。

一見すると、アメリカナイズされカラッとしたお化け屋敷ムービーのようですが、何気に劇場版"呪怨"に忠実な作りで、しかもちゃんと日本から始まり、オリジナル版へのリスペクトが感じられ好感が持てます。

最初のハリウッド版"呪怨"で感じた日本の中での外国人の話に比べたら、むしろ本作の方が違和感なく私には入ってきました。

何故これ程〜ハリウッド版は今作で４本目ですから〜"呪怨"がサム・ライミの心の琴線に触れたのか謎ではありますが、長すぎず短すぎずの丁度良い尺ですし、しっかり資金も集めたのでしょう、ホラー映画として一定のレベルに達していて見やすく、気楽に楽しめる作品に仕上げているのは流石です。

ですが本国アメリカでの評価は、けちょんけちょんにけなされ、シネマスコアは屈辱の"F"ランクでしたし、興行的にも失敗と散々な結果に。

物語は、2004年から2006年に掛けて、マルドゥーン刑事の捜査を基本に、ランダーズ家とスペンサー家そしてマシスン家が遭遇した恐怖の出来事の他、ランダーズ家の事件に取り憑かれた刑事ウィルソンのエピソードがほぼ同時に進行していくのですが、この時間軸が複雑で…これは日本版もそうでしたので、リブートである本作もこれに倣ったと言えますが…これが実に分かりにくい。

全てのエピソードが一点に集中すれば、それはそれで一種のカタルシスを味わえたかもしれませんが、全体的に散漫になってしまい本作が失敗した原因の一つかと思います。

また、冒頭に日本は出てくるものの、制作も舞台も演者も全てアメリカであり、もはやジャパニーズ・ホラーとしての湿度はなく、どちらかというと"呪怨"というよりは、"死霊館"シリーズに近いテイストになってしまっているので、二番煎じ感は否めず飽きてしまうところもあるのかと？

無理矢理"呪怨"にする必要は無かったんじゃないかと思いますが…

俳優陣は中々豪華で不気味な雰囲気バッチリだったのですが、唯一"？"な存在だったのが、デミアン・ビチル演じるマルドゥーン刑事の相棒のグッドマン刑事。

雰囲気たっぷりで、裏に何かありそう感有り有りだったのに、あれっ？どういう役回り？謎に無駄な感じがして…こんなところも勿体ない…

"ザ・ハント"では、めっちゃ強いクリスティを演じてたギルピン姉さんが、今作ではまるで逆の役回りだったのは面白かったですね。

という訳で、何だか残念な出来である事は否めないのですが、だからといって面白くないかと言うと…私は楽しめましたよ…結構好きかも？

エンドクレジット前に音楽が一切無く環境音だけで暫く流れている固定カメラの映像には恐怖と無情感が滲み出て…秀逸な終わり方でした…