真魚八重子

殺したのは誰だの真魚八重子のレビュー・感想・評価

殺したのは誰だ(1957年製作の映画)
4.0
伊福部昭の音楽が重厚すぎて…。
これも、真面目に生きたら損をするだけな人間、生まれつきついていない人間たちの物語。菅井一郎が車のセールスをすれば、生き馬の目を抜くように西村晃が客をかっさらっていく。菅井は西村に言われて、仕方なく保険金詐欺でわざと車の事故を起こすような、命がけなのに割に合わない仕事をするしかない。
友人の殿山泰司は昼から酔っぱらってるし、浜村純はヒゲボーボーで呆けたようにやはり酒を飲んでいる。その見た目のたとえで「西洋乞食」という言葉を久々に聞いたよ。
西村と菅井がまた車の事故の偽造をしようとすると、飲み屋から出てきた殿山泰司が浮かれて「俺にやらしてくれ~!車が好きなんだ~!」と言って、最悪の事態に至る。そんな、なんのためにこの世に生まれてきたかわからない人たちばかり。ラストまで悪い星が上空にある。

小林旭も若いのにカモられているが、どうか堅実に稼いでほしいなと思ってしまう。渡辺美佐子のやさぐれた色気。本当にいい女。
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