移住と回帰の物語。
最初に言っておくべきだけど、これはドキュメンタリーとしては悪い作品だ。
製作者の介入も甚だしい…でもこんなのがおれは大好きだったりする。
そもそも反原発色の強い作品ではなく、太鼓や笛、唄の魅力や、故郷への想いを撮った作品。
自らの好きを誰かに伝えたい…そんな作品がつまんないはずないんだよ。
この映画がフィーチャーした人々というのは、
帰還困難区域に住んでいた盆踊りのスペシャリスト達や、日本よりも盆踊りを発展させた日系ハワイ人
…というように今住んでるところ以外にルーツのある人達。
自分のルーツて一つのアイデンティティなんだなと改めて感じる。
みんなそこに焦がれる思いがあるんだよなぁ。
そんな彼らが場所は違えどもう一回、と意気込んで催した盆踊りがとてもとても素敵だった。
しかし、それだけでは終わらず…
他のシーンとは一線を画すためなのか、いきなり立体音響をたっぷり使ったエンドロールには驚いた。
でもそれ以上に他のシーンも含めて、夏の宵に灯る提灯が素敵な映画でした。