無花果

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへの無花果のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

前作ではランプの灯りと煙の描写に一番心を惹かれて、今作では灯りの粒が短い糸のように落ちる姿を可視化してしまった。見えることを可能にしてしまう、がいくつもいくつも出てくる。版画のようなあの光の糸、大量の水によりぼおろ、ぼおろと大きく乱れ始めた視界に簡単に人は揺さぶられてしまうのだと自分を通して思った、恐怖みたいだ。他にも表現として不可能を可能にしてしまっているのではというシーンばかり、絵でしか出来ない表現を映像で出来てしまったら、突然大幅に許されてしまった凶暴性に、柵が消え広場に放たれる気持ちに何度もなった。強いって自由。
極彩色の、何度も転がり出てくるキーワードたち、もう一度観た時の新しく迎える感情への楽しみを今から、今か今かと待ち侘びている。そろそろブレードランナーの続編を観ようかと心に決めた。