"彼の妻になりたい…魔女様…ハンスの心を私へと振り向かせたい…"
"出来ることは一つしかないよ…その女を殺すしか…"
東欧の寒村…来るべく厳しい冬に備え、村人達は"使い魔クラット"を駆使して隣人から大事な物を盗み合い、必死に生きるしかない…
11月1日、"死者の日"それは、深き森の闇より死者が蘇り家族の元へ帰る日…若く美しい娘リーナは、村の若者ハンスに恋をするが、ハンスは村を収める男爵の娘に一目惚れをしてしまう…ハンスと結ばれたいリーナは村の魔女にハンスを振り向かせる方法を聞き出すが、男爵の娘が忘れられないハンスは、悪魔と契約し、雪だるまで"クラット"を作り男爵の娘を連れ出そうとするが…
オープニングから、牛が空を飛んじゃったりとシュールな展開…モノクロで描かれる寒村の生活は、精霊や悪魔、そして疫病が闊歩する正に混沌とした世界…アート系か?と思いつつ、意外と笑ってしまうシーンもありますし、話の軸が村の若者3人の三角関係なので案外見やすい作品です。
まぁ、奇想天外であることは間違いないですが…
リーナを演じたレア・レストは、モノクロの画面と相まって妖艶な雰囲気を漂わせていますし、ハンスを演じたヨルゲン・リークは、だんだんビリー・ボブ・ソーントンに見えてきました。
そして、何より"ムカデ人間"で強烈な印象を残したディーター・ラーサーが男爵役で怪しげな匂いをプンプンさせていたのは流石なのですが、本作が遺作となるそうです。
その他大勢の村人達を演じたのは、プロの役者てはないのでは?深く刻まれたシワシワの顔には異様な迫力があります。
美しいながらも混沌としたマニアックな映像の連続に、新たなカルト映画の誕生を目撃したような
…そんな感じがしてなりません…