にしやん

雪子さんの足音のにしやんのレビュー・感想・評価

雪子さんの足音(2019年製作の映画)
2.5
どうしても観たい作品があってその作品の前にちょうど上映とのことで鑑賞。キャストも中々良さそうやし。
映画が始まってしばらくはこの映画がどういう系統の映画なんかが全くつかめない状態が続く。ヒューマンドラマ?いやちゃうな。サスペンス?それもちゃうな。サイコホラーかいな?それもなんかちょっとちゃうな。ほんまによう分からんままモヤモヤと話が進むわ。
ベースは老女の経営するアパートを舞台にその老女と若いOLが男子大学生を自分らの思い通りにしようとご馳走を与え続けるっちゅう話や。まず老女役の吉行和子が不気味。演技なんか素なんかも分からんし、いったい何を考えてるんかもさっぱり分からんさかい、とにかく不気味や。もう片方のOL役の菜葉菜のメンヘラ感もハンパない。この人こういうのやたしたらめっちゃ上手いな。メンヘラ凄すぎて会場に笑いがこぼれてたわ。この二人の攻撃で大学生役の寛一郎が徐々に追い詰められていく様がこの映画の面白さなんかなと、途中からは自分自身をそう納得させつつ、モヤモヤ感は拭えぬまま、話はラストへと。最後は何かはっきりさせてくれるんちゃうかと少し期待しながら。
あかんわ。ラストもとにかく中途半端や。特に大した結論無し。伏線の回収も殆どないままや。20年の月日が経ちっていうのも無理あり過ぎ。寛一郎が40過ぎに絶対に見えへんし。
この監督何やりたかったんか、何言いたかったんかもいまいちよう分からん映画やったわ。原作読んでへんからはっきりは言われへんけど、監督がこの映画の面白さをどう作っていくのかについて、正直決めきれへんままに映画撮ってしもたんとちゃうやろか?吉行の底知れん不気味さと菜葉菜の笑ける程のメンヘラ感しか何も残らんもんな。役者さんで何とか保ってる映画や。それ以外の映画独自の味付けっちゅうか面白さも欲しかったかな。一捻りが足らんわ。ちょっと残念やな。
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