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ばるぼらのkazataのレビュー・感想・評価

ばるぼら(2019年製作の映画)
2.5
原作は読んでいませんが……
世紀末でも無い現在において"デカダンス"(=退廃的で耽美的な思想)をやることの意味や意義がイマイチ感じられない上に、世界的に大メジャーな手塚治虫の作品をメモリアルイヤー(生誕90周年記念作…ってあと10年待てないの?)だかなんかで息子が監督するという企画自体にも胡散臭さを感じてしまうんだけども、、、だったらせめて中途半端に父親への愛やら優しさを漂わせたりしないで、徹底的に父親を無様に醜く描くべきだったんじゃ無いかな。
(父親=稲垣吾郎演じる主人公が常にカッコ良く見えちゃう時点でダメだと思う…)

(デカダンスってメインカルチャーに対するカウンターや皮肉だと思うから、そもそもメイン=大衆が失われた現代に置き換えて成立するのか疑問…)

(主人公の部屋の美術センスの無さを見た瞬間に、映画美術に大した予算もかけられない現在の邦画界でデカダンスなるものを実写で表現することなんて到底無理だと諦め&絶望…)

(悪魔教的な儀式シーンは……アリ・アスター監督を見習えや!見ているこっちが気恥ずかしくて仕方なかったわ!……ってか美男美女の裸だけ集めてもダメなんだってば!!)

(そうそう、露悪趣味とかもオゾン監督の初期自主映画を見習うべきかと……ってかやっぱり監督にその手のセンスが欠乏しているんだろうね)

中性と言うか"無性別な少年感"を醸し出す二階堂ふみだけが手塚治虫ワールドの実写化に成功していたと言えるんじゃ無いでしょうか。
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