とと

シネマ歌舞伎 ふるあめりかに袖はぬらさじのととのレビュー・感想・評価

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歌舞伎を見た!というよりもめちゃくちゃ良質な「芝居」を見た!という感じ…すべてにおいて質が最高だった…
コロナの影響で全然舞台が見れなくてモヤモヤしていた中でこんな良いものが見れて本当によかった〜なんかホッとしたし嬉しくなりました

「痛々しいほど美しい人でした」という台詞がこんなにピッタリな人いる??って思うくらいの存在感でした七之助さん……
物語の進行上早々に退場しちゃうんだけど見終わったあとも七之助さん演じる亀遊さんの儚げな美しさが目に焼き付いて離れなくなる
すごい勢いで喋るお園さんに対してはい…ありがとうございます…はい…って弱々しく小声で相槌うってるのがちょこちょこ聞こえるんだけどなんかもう俺が守る!!!!!!!!っていう気持ちになった
湯飲みを指で弾いたあと潤んだ瞳で獅童さんをじっと見つめる表情がもう〜吸い込まれそうな美しさで、劇中で1番ってくらいカメラも寄っていたような笑そりゃあんな顔されたら寄るよな!

あんな爽やかな獅童さん初めて見ました(失礼)
亀遊さんと並んだ時の初々しさ瑞々しさがほんとに大好きだったんだけど、肩の荷がおりましたって言うシーンでこ、こいつ〜〜!!!って気持ちになった 言いたいことはよくわかるんだけども亀遊さんの死をずっと悔やんでその後悔を一生背負いながら生きていけよ!!!泣泣泣
でもそういうところが人間臭くていいのかもね…

海老蔵さんちょっとしか出ないけどまぁ改めて絵になる人やなぁと思った…
唐人口の遊女さんたちコミカルでめちゃ面白かったからもっと出番あって欲しかった笑
想像していたよりずっと笑いどころがたくさんあってでも寂しさ悲しさも感じられてほんと〜に良い作品でした
亀遊さんがそっと静かに生きていたこと、1人寂しく死んでいったこと、お園さんはそんな亀遊さんの本当の姿を自分しか覚えていないことが悲しくて寂しかったのかなぁ
嘘を塗り重ねたものだとしても1人の遊女の死が人々に知れ渡ることによって、亀遊さんという1人の女性が確かに生きていた証を世の中にちょっとでも残したいっていう思いもどこかにあったんじゃないか
ほんとに良いもの見れました!早く生で歌舞伎見れる世界になりますように!!
とと

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