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青のハスよりのtetsuのレビュー・感想・評価

青のハスより(2018年製作の映画)
3.4
ムーラボの審査で鑑賞!!

東京にやってきたダメダメ男3人組と女性スリーピースバンド。劇映画とドキュメンタリー、二つの手法で描かれる彼らと彼女らの顛末。

劇映画とドキュメンタリーという体勢は、今年のムーラボの短編『さよなら、ミオちゃん』にも通ずるものの、こっちの方が好みかも。
お笑い芸人"千鳥"のようなコミカルな会話が繰り出す独特のユーモアは好き嫌いが別れそうではあるけれど、個人的には楽しかった。
また、ムーラボとしてお馴染みの面々がちょい役で登場するのも見所。
今年『ゆかちゃんの愛した時代』でも参加していた吐山ゆんさんが破れタイツとしてCM映像の中に一瞬、登場したり、去年の短編部門でグランプリを獲得した『ぱん。』主演兼監督の辻凪子さんが終盤に登場!
特に彼女の存在感は抜群で、ラストは彼女が全てかっさらっていた感...。笑


このあと、少しネタバレ
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劇映画とドキュメンタリー。この二つの物語は一見、シンクロしないように見えるものの、The Wisely Brothersが東京で成功していく一方、男たち三人は地元へ帰っていくなど、上京の成功と失敗が比較されている構造のようにも感じた。
終盤、下りエスカレーターに乗る栗原類と登りエスカレーターに乗るThe Wisely Brothersの三人とのすれ違いが印象的で、男たちの時系列が最初に戻るラストの飲み屋での会話の切なさが印象的だった。

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とはいえ、やはり栗原類さんの存在感(というか、栗原類感w)が作品のハイライトで、監督が自分を基にして作ったキャラクターと言及し*、役名も自分と同名にしているものの、完全に栗原類さんの映画になってしまっているのは確か。
そういう意味で、ファンは必見とも言える。
まぁ、まとめると、今世紀最大級でボートレースに行きたくなる映画でしたね。(なぜ、そうなった。笑)
*公式パンフレットより
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