乾いた描写でビターな雰囲気が良く、普通ならこのストーリーだと暗くなりがちだし殺伐としそうだが、ラストまで魅せてくれる作品。
登場人物を少なくして掘り下げているところも上手い。
ベテラン2人は安心して観ていられるし安定の演技だ。そこに新人のバレリア・エンリケスが華を添えていて眩しい。
そして何よりこの作品を引き締めていたのがルイス・バスマンの演技とキャラ。主要出演者全員がきちんと納まる所にいて互いを押し上げている実に絶妙な配役とキャラに感心してしまった。
父親の復讐と神父の逃避が中心となっているが、私にはこの二人が死に場所を求めて彷徨っているように見えた。この様にしかなり得なかった2人の生き様は余韻を残す。
日本未公開だが観て損の無い良作だ。