豚肉丸

オオカミの家の豚肉丸のレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.8
カルトコミュニティから逃げてきた少女は森の中にあったオオカミの家で豚2匹と共に生活を始めるが、そこで悪夢を見るお話

大傑作!クレイアニメにここまで表現の拡張性があったのかと常に驚かされる70分間。家の壁や床をも表現の一種として見事効果的に活用し、何もかもが破壊されては形を変えて再生する。とにかく今まで見たことの無いような映像体験を味わえるが、その映像体験が全て「悪夢」を見せるために費やされているのだから最高だ。子供の頃に本やテレビを見ている最中に時々感じたような「何か分からないけどとにかく怖い」あの感覚を猛烈に思い出す。
言語化出来るような映像じゃないため見ろとしか言いようがないが、とにかく映像を見てほしい。素晴らしいから。

本編が始まる前に少しだけ案内ビデオが付属する。ある小さな集落のドキュメンタリーのような映像で、「この映画は子供への教育用の映像です」的な説明が入る。つまり本作は子供への情操教育として用いられた映像ですよ、という構造になっているのだが、背景を踏まえて考えるとこの構造の嫌らしさに驚く。時々入る「オオカミ」のセリフもつまりそういう事なのか...
背景事情を知らずに見たから次は色々な事情を鑑みた上でもう一度見てみたいなと思うが、純粋に背景云々よりも映像技術を見るだけでも十分に楽しめるから良い。

映画館で見られる機会かあるのなら絶対に映画館で観てほしい!大傑作!!
豚肉丸

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