猫目

ブラインドスポッティングの猫目のレビュー・感想・評価

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)
4.0
これはなかなかエグられた。やはりラップはルーツがわからないと深まらないと思っちゃった。

見方によっては壺にも向き合ってる顔にも見える絵画「ルビンの壺」をメタファーにしてオークランド.CAに生まれ育った黒人のコリンと白人のマイルズの幼馴染がそれぞれに持つ潜在的な人種差別意識=ブラインドスポッティング(盲点)に向き合うお話。この「ルビンの壺」は直感的には壺か顔の片方しか見えない騙し絵で一度に二つは見れない。同じく人というものは、いつも他人の一面しか見ていないそう。

いかにもストリートに居そうなコリンは、実は真面目なんだが、何かあるとブレイズヘアの黒人ということで疑われやすい風貌。理不尽なことにも上げられない心の声をいつもラップに乗せて歌にする。最後の心の叫びラップはぐいぃと引き込まれました。
かたや白人のマイルズは誰よりも破天荒で黒人コミュニティに溶け込んでいるように見えるが、どこかに白人であるという優越感みたいなものを感じてるように見えました。ストリートで暴れたとしても、真っ先に捕まるのは自分ではないと理解していたり(贖罪の気持ちはあるようだけど)、コリンを「ニガー」と呼べないところに顕れていたな。
気付かないように抑えていた二人の気持ちが露わになるところ、お互いのもう一つの面が見えた瞬間だった。
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