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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのZUSHIOのレビュー・感想・評価

3.8
『ワンダ・ビジョン』は丸々押井守『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』を、キャストをラムちゃんをワンダに、諸星あたるをビジョンにした作品だったわけで…そう考えるとラムちゃん恐ろし過ぎる。
まさに「母性のディストピア」という本を書かれている宇野常寛氏の批評を早く知りたくなった。
ワンダの行動原理は、結局「母性」であって、自らの「母性」を満たすため、自らの「幸福」を満たすためであれば、他者の不幸や死すら厭わないというのは、現代のウクライナ紛争やプーチンの内面を想像するに、現代を切り取ったテーマになっているように思う。想像以上に、全体が捕えているテーマは深いように思ったが、何よりMCUとかMARVELのマニア知識とか一切なくとも、アメコミの「映画としての絵の面白さ」という原点に回帰させたサムライミ御大の手腕にはただただ脱帽であった。
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