社会のダストダス

悪霊館の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

悪霊館(2018年製作の映画)
2.3
溜まっているレビューを手短に(手抜きと言ってはいけない)書いた後に、今年の映画への所感を書き殴るゴールデン・ダストダス賞、その③は「男優賞」。

まずは前座の作品レビュー

『死霊館』のパチモンみたいな邦題の映画、内容はどちらかと言えば『エクソシスト』のパチモンでした。
本作の神父たちの頼りなさと言ったら、『死霊館』のウォーレン夫妻を見習ってほしいレベルです。

グラマラスな主演シドニーちゃんが悪魔に取りつかれても可愛いのと、妙に色気が凄い叔母さんが目の保養でした。
キャッチコピーに実話がベースとあるが、ソースが知りたいところ…

ラストは結構衝撃な展開だったのだけど、観終わってしばらく経った今では、シドニーちゃんの胸部しか記憶に残っていない。



今年の優秀作品を独断と偏見と贔屓で決めて自己満足に浸るゴールデン・ダストダス賞(The Golden Dustdus Award)
3回目は、「男優賞」。前々回の女優賞のときに書き忘れていたけど、映画とドラマ、主演と助演の括りは無視して統一した選出になっています。

☆ゴールデン・ダストダス賞2021 パフォーマンス部門(男優賞) ノミネート


綾野剛『ヤクザと家族 The Family』…
時代に翻弄された一人のヤクザの19歳から39歳までを演じる。必要悪としてヤクザの存在はすでに在りし日のこと。理想、人権、家族、一つずつ零れ落ちていくなか、綾野剛演じる賢治が最後に選んだ決断に涙が止まりませんでした。

アンソニー・ホプキンス『ファーザー』…
アンソニー・ホプキンスここに在りを見せつけた凄まじい演技、いやもしかして本当にボケてるだけ?私にも80代を迎えた父がおり、私自身も将来孤独死するのではないかと最近危惧しているので、凄いものを見たと思う一方で、鑑賞後非常に胸がソワソワしました。

ニコラス・ホルト『ザ・グレート ~エカチェリーナの時々真実の物語』…
実はこの作品を観るまでそれほど興味が無かったニコラス・ホルト。皇帝ピョートルを演じる本作では、エル・ファニング演じるエカチェリーナの夫であり政敵としてその愛憎を一身に受ける、なんて羨ましい野郎だ。その所業はクズ過ぎるが故に一周回って可愛く思えてくるから不思議です。

ダニエル・クレイグ『ノー・タイム・トゥ・ダイ 007』…
ジェームズ・ボンドとしての人生を完遂させた本作は、ダニエル・クレイグ史上最高のパフォーマンスだったと思います。ファンにとっては賛否分かれる結末かもしれませんが、ボンドをルッキズムの象徴から一人の血の通った男として存在させた功績は偉大だと思います。『カジノロワイヤル』からの15年間本当にお疲れさまでした。

コング(本人役)『ゴジラVSコング』…
ハリウッドにおいて80年以上のキャリアを誇るコング氏が、日本が誇る我らがゴジラ先生と夢の激突。日本がコングの権利を借りて制作した『キングコング対ゴジラ』ではニホンザルの面を被ったみたいなアホづらだった彼の、60年の時を経て最新の技術で生みだされた表情の機微が怪獣とは思えぬほどに繊細で驚嘆でした。

レオナルド・ディカプリオ『ドント・ルック・アップ』…
レオ様が最高にレオ様していた。こういう情緒不安定で脂ぎった、中年の危機真っ只中の役が本当に輝いている。ワンハリのレオ様が好きな人はきっと本作のレオ様にもハマることでしょう、可愛いです!



完璧です。何が完璧かというとバラエティにとんだノミネート選出です。白人のみがノミネートされてしまった女優賞とは異なり日本人からも1名、さらには猿の人権すらも肯定することで多様性に富んだリストアップになりました。

これは非常に甲乙がつけがたい…

うーん…

受賞は…



☆アンソニー・ホプキンス『ファーザー』 にしました!

日本での公開はアカデミー賞後でしたが、主演男優賞受賞は伊達じゃありません。本当にボケている可能性を疑いたくなる、喜怒哀楽の忙しない演技に血圧が上がり過ぎないか心配してしまう凄まじさでした。私にとってのマイベストである『羊たちの沈黙』から30年経っての2度目の受賞。30年後にもまた受賞できるように長生きしていただきたいです。

以上第三回になります。年の瀬が近づくとレビューを書く時間が無くなりそうなので、今日中に半分は終わらせようというノルマは達成できました。何度も書いてるうちにテンプレート化されつつあるので、これなら年内に終わらせられるかもしれません(ここで気を抜くな!)。