jonajona

ゼイカム -到来-のjonajonaのレビュー・感想・評価

ゼイカム -到来-(2018年製作の映画)
3.4
中々評価低いですがこの手のワンスチュエーションスリラーSFは好み。
クリスマスの日にインド系の彼女連れて白人至上主義的クリスチャンの実家に帰ったら、謎の黒いビロビロに閉じ込められました、さてどうなると言うお話。

明らかに彼女に対して差別的な主人公の家族メンツにこちらもフラストレーション貯めながら、逃れられない部屋の異空間の中で鬱屈した思想が徐々に爆発していく様がスリリング。
よく頑張った方じゃないでしょうか。
お爺ー父→息子たる主人公という家父制的な保守的思想の伝承を促す実体としての地球外生命物体とそのお膳立て。わかりやすい比喩表現がSFの形でなされていたと思います。父親が子供達の前で『ねしょんべん』との仇名で呼ばれてるのはキツいものがある。そしてその老いた父を侮りつつも確実に自分もその家父制を息子に伝承させようとしてる悲劇。
SFは実際の世界構造の矛盾や歪みに対して世界観自体と主人公の成り行きを通してアンサーやクエスチョンを出すジャンルで、今回はそれがクエスチョンだったわけで。自分はラストがアンサーになってればもっと好きだったなぁと残念な気持ち。
ポップさが足りない。
jonajona

jonajona